SmartCalendar(N) - folder構造 の変更点
**SmartCalendarのフォルダ構造
SmartCalendarと、従来のフォルダ(ジャンル別整理)のきりわけですが、
思想的にいえば、ルートを指定して、年-月-日で足りるのではないか、
というのが根本的な立場です。
とはいえ、もちろんそれだけじゃ足りない、
ありていにいえば、「いや」「しっくり来ない」という意見があることは、
充分想定しています。
年-月-日になじまない/なじみにくい情報整理はあると思います。
仕様上は、その問題は了解されているのですが、
実装されていない項目のひとつです。
仕様にはこうあります。
●フォルダ構造
ファイルの構造や管理方式には、古くはUNIX風(「bin」「boot」「dev」「etc」「home」「initrd」「lib」「lost+found」「misc」「mnt」「opt」「proc」「root」「sbin」「tmp」「usr」「var」)に始まり、Windows的な「My Documents」「My Pictures」など、いろいろなものが提案されている。
ファイルに対するエンドユーザーの典型的な問題は、保存したファイルが見つからないということに尽きる。最新のOSでは、検索機能を充実させることで解決を図ろうとしているが、SmartCalendarでは、別のアプローチをとる。すなわち、日付順の整理である。
整理にはいろいろな方法があり、たとえばこれまた典型的なのは、デスクトップにぶちまけておく、という方式である。この方式は整理できる数の最大数がデスクトップの広さに制約を受けるが、それでも昨今のディスプレイはそれなりに広く、ツインディスプレイなども使えるようになっている。とはいえ、「見えるところにあれば安心」ということは、逆にいえば「見えないところにあるからファイルがなくなったと思い不安」ということでもあり、見えるようにしてやれば解決する問題なのではないか、と考えた。
その方法が、一貫性のあるファイル構造(年-月-日)と、サムネイルによって表示し続けることである。
SmartCalendarでは、ファイル構造には、年-月-日を使用する。
年-月-日のファイル構造のメリットは、年を4桁の西暦で記述した場合、ぜったいに重複が起こらないということであり、「昨日」「今日」「明日」という相対的な構造をも、容易に扱えるようになることである。
現に、80万件の写真データを、年-月-日の構造で、無理なく整理できているという実例があり、その程度の有用性はあると考えられる。
デメリットとしては、テーマ単位、ひと単位での整理に不向きということであるが、テーマ単位、ひと単位での情報整理が「つねに整理し続けなければ破綻する」可能性をもっているのに対して、まだその可能性は少ないといえ、相対的には評価できると考える。
もっとも、年-月-日の構造は、万能というわけではない。テーマ単位、ひと単位等の構造を無視するわけではなく、SmartCalendarの発展形として、多様な分類をも許容するようにはしておく。
また、次のようにも書きました。
●表記の揺らぎの対応【拡張仕様】
年-月-日の記述の揺らぎにあらかじめ対応し、設定不要で表記の揺らぎに対応する。
同じ日のフォルダが複数存在することもある。
具体的には、
(1)年の下にいきなり日
1972
└─1972.3.18 文学
(2)年の下に年だけ
1973
└─1973 深緑の手帳
(3)年の下に「'」で日
1974
└─'74.06.01 ポーの一族1
(4)年表記がくり返し
1974
└─1974 手帳 東京 埼玉 千葉 1974
(5)異なる年
1979
└─SIGN BOOK 2002_12_24
(6)月表記が4桁
9607
└─'96.07.09 ジョジョの奇妙な冒険 48
これらに対応できていれば、もっとSmartCalendarは柔軟になると思います。
現状だと、上記の場合、次のようにフォルダを作る必要があります。
(1)年の下にいきなり日
1972/197203/1972_0318/1972.3.18 文学/file.jpg
(2)年の下に年だけ
1973/197301/1973_0101/1973 深緑の手帳/file.jpg
(3)年の下に「'」で日
1974/197406/1974_0601/'74.06.01 ポーの一族1/file.jpg
(4)年表記がくり返し
1974/197401/1974_0101/1974 手帳 東京 埼玉 千葉 1974/file.jpg
(5)異なる年
1979/197903/1979_0301/SIGN BOOK 2002_12_24/file.jpg
(6)月表記が4桁
1996/199607/1996_0709/'96.07.09 ジョジョの奇妙な冒険 48/file.jpg
なお、SmartCalendarは、日のフォルダの下にサブフォルダがあっても、
それを含めて1日と認識できるので、
このように、(手動ですが)サブフォルダをその日の下に作れば、
年月日と項目別のフォルダを、ある程度共存させることができます。
もちろん、このようにフォルダを作ってしまうと、
エクスプローラでその項目別のフォルダをまとめてみたい、
というニーズに対応するのがむずかしくなります。
便宜的には、項目別のフォルダには、
たとえばかならず、「○」というフォルダ名をつけて、
1972/197203/1972_0318/○1972.3.18 文学/file.jpg
1973/197301/1973_0101/○1973 深緑の手帳/file.jpg
1974/197406/1974_0601/○'74.06.01 ポーの一族1/file.jpg
1974/197401/1974_0101/○1974 手帳 東京 埼玉 千葉 1974/file.jpg
1979/197903/1979_0301/○SIGN BOOK 2002_12_24/file.jpg
1996/199607/1996_0709/○'96.07.09 ジョジョの奇妙な冒険 48/file.jpg
というようにすれば、検索で○を探すことで、検索結果として、
○1972.3.18 文学/file.jpg
○1973 深緑の手帳/file.jpg
○'74.06.01 ポーの一族1/file.jpg
○1974 手帳 東京 埼玉 千葉 1974/file.jpg
○SIGN BOOK 2002_12_24/file.jpg
○'96.07.09 ジョジョの奇妙な冒険 48/file.jpg
だけを抜き出して見ることができるようになります。
フォルダ単位での自動取り込みは、要望はしていますが、
実現していない項目のひとつです。
自動で取り込んでしまうと、ファイルはExifの時刻順に並んでしまうため、
サムネイルと実ファイルが別のフォルダに入る、というような不具合がでてしまいます。
また、フォルダわけしてあっても、そのフォルダ名は失われてしまうことも、
問題だと思っています。
フォルダわけしてアルバム位、そのフォルダをファイル名として展開しつつ、
取り込むことは検討しています。
たとえば、
1972/1972.3.18 文学/file01.jpg
1972/1972.3.18 文学/file02.jpg
を
1972/197203/1972_0318/1972.3.18 文学01.jpg
1972/197203/1972_0318/1972.3.18 文学02.jpg
あるいは、
1972/197203/1972_0318/1972.3.18 文学_file01.jpg
1972/197203/1972_0318/1972.3.18 文学_file02.jpg
のようにすることです。
これならば、上記のように検索によって、
もとのフォルダ情報を再現できる可能性があります。
同時に、取り込み時に、フォルダ+ファイル名を、Exifのタグのなかに書き込んでしまう、
ということも考えています。
これも実現していないことのひとつです。
なぜ実現していないかというと、もっともヘビーなユーザーであるわたし自身が、
すでに取り込みを終えてしまった(手動で)ということ、
ユーザーからの反応がこの件に関して皆無なので、
ほんとうに必要かどうかを説得する必然性が乏しい、ということに尽きます。
過去のデータの取り込み作業は、1回しか起こらないのですが、
(もっともその1回がSmartCalendarだを使い始めるときなので、
きわめて重要ではありますが)、
そこにフォーカスするマンパワーが現時点ではありません。
という感じなのです。
また、ある一定期間継続して使用するフォルダに関しては、
年月日の例外として表示することも検討はしています。
1972/1972.3.18 文学/file01.jpg
というフォルダは、1972年の欄外に、
1972/197203/1972.3.18 文学/file01.jpg
は、1972年3月の欄外に表示しよう、というものです。
欄外というのは、カレンダーの日付以外の部分です。
これなら、ある一定期間継続的に使用するプロジェクトなどに関するフォルダを、
年月日にこだわらずに整理できるだろうと思っていますが、
これも、現時点では実現していない項目のひとつです。
美崎薫
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